~ 茅野市と八ヶ岳 ~

2007年、日本の地質百選に選定された八ヶ岳の麓で活動する茅野ライオンズクラブ。

~ 八ヶ岳 ~

八ヶ岳の領域の定義は幾つか説があり、場合により使い分けられる。
1.夏沢峠以南のいわゆる南八ヶ岳のみ
2.南八ヶ岳及び北八ヶ岳の領域(蓼科山を除いた領域)
3.蓼科山まで含んだ八ヶ岳連峰

八ヶ岳(やつがたけ、八ケ岳とも表記される)は、長野県の諏訪地域と佐久地域および山梨県の境にある山塊。南北30km余りの山体で、大火山群である。深田久弥の日本百名山の一つ。「八ヶ岳」は長野県と山梨県にまたがる山塊の総称であり、山そのものに八ヶ岳と名付けられた山は存在しない。

「八ヶ岳」の由来は、「八百万」などと同じように、山々が多く連なる様子から「たくさん」という意味で「八」としたとも、幾重もの谷筋が見える姿から「谷戸(やと)」にちなんで名づけられたとも、文字通り八つの峰に見えるからとも、複数のいわれが存在する。

概要

赤岳を最高峰に横岳などで構成。その山容は、夏沢鉱泉と本沢温泉を結ぶ夏沢峠を境界として、北八ヶ岳と南八ヶ岳に大きく分けられる。北八ヶ岳は、樹林帯が山稜近くまで続き、また比較的なだらかな峰が多く、湖沼も点在する。一方、南八ヶ岳は、主峰の赤岳をはじめ、横岳・硫黄岳・阿弥陀岳の鋭い峰々や、横岳西面の大同心・小同心に代表される岩峰群などがあり、急峻な地形となっている。このため、日本有数のロック・クライミングの岩場があることとして知られ、また冬場は氷瀑のアイス・クライミングでも知られる岩稜が中心となっている。このように、南北の山容は対照的である。なお、狭義では南八ヶ岳のみを八ヶ岳と言うことがある。日本百名山の八ヶ岳はこの狭義の山域を指す。八ヶ岳連峰では他に蓼科山も日本百名山に選ばれている。

これらのほとんどのエリアが、八ヶ岳中信高原国定公園に指定されている。

この一帯は、火山地帯のため、多くの温泉を有している。火山としての八ヶ岳は歴史時代、確実な噴火記録は残っていないが、888年に北八ヶ岳の天狗岳が崩壊し、その結果、松原湖などの湖が誕生したと考えられている。崩壊の原因は噴火とも地震とも言われているが、地震、噴火とも今もって全く証拠が見つからず、大きな謎になっている[1]。また歴史上の記録には残っていないが、北横岳には地質的に新しい溶岩噴出があり、最近の研究では600?800年前の噴出と見られている[2]。

広大な裾野は、東側の清里高原や野辺山高原、西側の富士見高原や蓼科高原などで知られている。夏の冷涼な気候を利用してレタスやキャベツなどの高原野菜の栽培が行われている。

山麓には伏流水が湧くため、特に西南側の裾野一帯にかけて縄文時代の遺跡が濃密に分布する。長野県側では井戸尻遺跡や尖石遺跡が知られる。山梨県側では縄文草創期の神取遺跡(北杜市、旧北巨摩郡明野村)や青木遺跡をはじめ、諸磯式期の天神遺跡(旧大泉村)がある。縄文中期には拠点集落が山麓地域から甲府盆地へ移るが、八ヶ岳山麓でも敷石住居群が見られる上ノ原遺跡がある。縄文後晩期には全域的に遺跡数が減少するものの、金生遺跡(旧大泉村)は集落跡と祭祀施設が複合した遺跡で、縄文時代の精神文化が現れた配石遺構が見られる。

~ 八ヶ岳の山・峠 ~

南八ヶ岳 北八ヶ岳
  • 編笠山 (2,524m)
  • 西岳 (2,398m)
  • 三ッ頭 (2,580m)
  • 権現岳 (2,715m)
  • 赤岳 (2,899m) - 最高峰
  • 中岳 (2,700m)
  • 阿弥陀岳 (2,805m)
  • 横岳 (2,829m)
  • 硫黄岳 (2,760m)
  • 赤岩の頭 (2,656m)
  • 峰の松目 (2,567m)
  • 夏沢峠 - 南八ヶ岳・北八ヶ岳の境界とされる
  • 箕冠山 (2,590m)
  • 根石岳 (2,603m)
  • 天狗岳 (2,646m)
  • 中山 (2,496m)
  • 丸山 (2,330m)
  • 麦草峠 - 国道299号が通過
  • 茶臼山 (2,384m)
  • 縞枯山 (2,403m)
  • 北横岳(横岳) (2,480m)
  • 大岳 (2,381m)
  • 双子山 (2,224m)
  • 大河原峠
  • 蓼科山 (2,530m)
  • 八子ヶ峰 (1,833m)

~ 南八ヶ岳 ~

編笠山(あみがさやま)

八ヶ岳を構成する山の一つ。標高 2,524m。八ヶ岳の最南端に位置する山である。
・登山道
小淵沢駅 - 観音平グリーンロッジ - 編笠山
小淵沢駅から徒歩で登る場合は標高差1,600mに及ぶ長大な登りとなる。中腹にある観音平グリーンロッジまでは県道が通じているのでタクシーで入ることができる。
信濃境駅 - 富士見高原スキー場 - 編笠山
編笠山から権現岳を経て赤岳方面へ縦走路が伸びている。
・山小屋
青年小屋 / 観音平グリーンロッジ

西岳 (にしだけ)

標高 (2,398m)

三ッ頭

標高 (2,580m)

権現岳(ごんげんだけ)

長野県南佐久郡南牧村、諏訪郡原村、茅野市、山梨県北杜市にまたがる、八ヶ岳連峰のうちで最高峰の山。標高2,899m。八ヶ岳中信高原国定公園に属する。
・概要
山頂は、南峰、北峰に分かれており、南峰に一等三角点と神社がある。北峰には、赤岳山頂小屋が建っている。南峰とその南の権現岳との間はキレットとなっている。赤岳の名前は、山肌が赤褐色であることに由来する。日本百名山を目的として八ヶ岳に登る人は、この赤岳を目指す人が多い。麓は冬はスキー客で、夏は避暑地として賑わう。
・登山道
麓からの登山道は、西側(茅野市)の美濃戸口からと東側の美しの森(清里)・野辺山からそれぞれ複数開けているが、一般的には美濃戸口からの登山道が使われている。この他、権現岳方面から横岳・硫黄岳方面に至る縦走路が山頂を経由している。
・山小屋
俗に「小屋ヶ岳」などと言われるくらい山小屋の多い山域だが、美濃戸口から山頂までは特に山小屋が多く、登山道沿いに美濃戸口(2軒)・美濃戸(3軒)・赤岳鉱泉・行者小屋・赤岳天望荘・赤岳山頂小屋と9軒の山小屋を通過する一方、清里・野辺山側からの登山道(県界尾根、真教寺尾根)には山小屋は無い。また、冬季にも営業している山小屋が多いのがこの山域の特徴である。そのため、冬でも比較的軽量の荷物で登山が可能である。そのほか、南のキレットにはキレット小屋がある。

赤岳(あかだけ)

八ヶ岳連峰の南部に位置する山。東峰(2,715m)と西峰(2,700m)から成る双耳峰そうじほうで、西側の峰はギボシと呼ばれる。八ヶ岳中信高原国定公園に属する。

中岳(なかだけ)

八ヶ岳連峰の一峰。標高約2,700mの山。八ヶ岳中信高原国定公園に属する。
・概要
八ヶ岳最高峰の赤岳と阿弥陀岳の間に位置する。周辺は森林限界を超えているため、展望が良い。
・山小屋
赤岳頂上小屋 / 行者小屋

阿弥陀岳(あみだだけ)

八ヶ岳南部、赤岳の約1km西に位置する標高2,805mの山。八ヶ岳では赤岳、横岳に次いで3番目に高い山である。
・登山道
赤岳登山のついでに、中岳のコルから往復する者が多い。この他に、美濃戸口から御小屋尾根を辿る道がある。

横岳 (よこだけ)

南八ヶ岳連峰の山である。標高2,829m。八ヶ岳の最高峰赤岳に次ぐ高さである。八ヶ岳中信高原国定公園に属する。
・概要
山頂付近は、ギザギザと小ピークが連続しており、また稜線の西側に位置する大童心と小童心(国土地理院地図上の名称は大同心、小同心)は、岩登り・アイスクライミングの対象として知られている。
・登山道
ふもとからの登山道としては、佐久側の杣添尾根の登山道があるほか、赤岳から硫黄岳に至る縦走路が山頂を通過する。佐久側からの登山道を使う登山者は比較的少なく、美濃戸口・赤岳鉱泉から赤岳-横岳-硫黄岳(またはその逆) というルートをとる登山者が多い。夏山登山でも硫黄岳から硫黄岳山荘にむけて下ってきた辺りから横岳大同心、小同心を中心とした赤岳方面まで一帯の稜線を縦走する登山道は、吹き上げる西風の影響などから(時として足元が見えないぐらいの)濃霧に見舞われやすく、落石や道を見失って迷ったり、転落、スリップに注意を要する。横岳付近の登山道には逸れ行き別れになってしまった仲間への書置きや追悼登山の石積みが多く見られる。
・山小屋
山頂北側の硫黄岳との間に硫黄岳山荘、南側の赤岳との間に赤岳天望荘がある。

硫黄岳(いおうだけ)

八ヶ岳連峰の山の名前である。海抜2,760m。八ヶ岳中信高原国定公園に属する。
・概要
山頂付近はなだらかだが、南北両側に巨大な爆裂火口跡があり、断崖絶壁となって鋭く切れ落ちている。南八ヶ岳のなかではもっとも容易に登れる山の一つであり初心者向けの山である。
・登山道
美濃戸・赤岳鉱泉を経て山頂付近に至る登山道と、赤岳方面から山頂付近を経て天狗岳方面に至る稜線上の縦走路がある。なお、一般登山道は厳密には山頂(最高地点)も三角点設置場所も通過しない。赤岳鉱泉方面から登ってくる場合、赤岩の頭 (2,656m) の直下、2,600m付近に森林限界があり、それ以下は亜高山帯針葉樹林、それ以上がハイマツと高山植物の草原となる。
・山小屋
山頂付近から南に約20分の地点に硫黄岳山荘があり、また北に約1時間の夏沢峠にもヒュッテ夏沢と山びこ荘がある。硫黄岳山荘の付近は高山植物の豊富な一帯となっている。

赤岩の頭(あかいわのあたま)

八ヶ岳連峰にある標高2,656mの山。硫黄岳の西に位置し、八ヶ岳中信高原国定公園に属する。
・概要
山頂付近は森林限界を超えており、赤岳・横岳・阿弥陀岳などの八ヶ岳主峰の展望が良い。
・山小屋
硫黄岳山荘 / オーレン小屋 / 赤岳鉱泉 / 山びこ荘 / ヒュッテ夏沢

峰の松目(みねのまつめ)

八ヶ岳連峰にある標高2,567mの山。八ヶ岳中信高原国定公園に属する。
・登山道
桜平からオーレン小屋を経由するルートや、美濃戸口から赤岳鉱泉・赤岩の頭を経由するルートなどがある。山頂は樹林帯のため、展望はない。
・山小屋
オーレン小屋 / 夏沢鉱泉 / 山びこ荘 / ヒュッテ夏沢

夏沢峠 - 南八ヶ岳・北八ヶ岳の境界とされる

~ 北八ヶ岳 ~

箕冠山(みのかんぶりやま)

標高 (2,590m)

根石岳(ねいしだけ)

標高は2,603m。長野県茅野市にある八ヶ岳連峰(広義の八ヶ岳)の山である。
・概要
八ヶ岳連峰は夏沢峠を境に南側を南八ヶ岳(狭義の八ヶ岳)、北側を北八ヶ岳と呼ぶが、根石岳はこの北八ヶ岳の最南端に位置している。
・登山道
西側は奥蓼科温泉郷の渋ノ湯から、東側は稲子湯から本沢温泉からともに天狗岳を経由する登山道がある。また、八ヶ岳の主縦走路が根石岳の山頂をとおっている。
・山小屋
根石小屋

天狗岳(てんぐだけ)

標高は2,603m。長野県茅野市にある八ヶ岳連峰(広義の八ヶ岳)の山である。
・概要
八ヶ岳連峰は夏沢峠を境に南側を南八ヶ岳(狭義の八ヶ岳)、北側を北八ヶ岳と呼ぶが、天狗岳はこの北八ヶ岳の最高峰である。山頂部は300mほどの間隔を置いて東西に分かれ、西天狗岳と東天狗岳と称する。標高が高いのは西天狗岳で2,645.8mである。北八ヶ岳はなだらかな山容と深い針葉樹林、点在する湖などに特徴があるが、天狗岳はその中にあって唯一、南八ヶ岳に近い険しい山容である。日本二百名山のひとつ。
・登山道
西側は奥蓼科温泉郷の渋ノ湯から、東側は稲子湯から本沢温泉を経由する登山道がある。また、八ヶ岳の主縦走路が東天狗岳の山頂をとおっている。渋ノ湯からの登山道が主縦走路と合流する地点(黒百合平)に、黒百合ヒュッテがある。この黒百合平から山頂までは二本の登山道があるが、その西側の登山道を通ると、「天狗の奥庭」と呼ばれる一帯を通過する。奇形の岩と、丈の低い針葉樹、小さな池を配した、天然の庭園のような一帯である。
・山小屋
黒百合ヒュッテ / 本沢温泉

中山

標高 (2,496m)

丸山

標高 (2,330m)

麦草峠(むぎくさとうげ)

長野県茅野市と佐久穂町の間にある峠。国道299号の最高地点で、標高は2,127m。国道で2番目に標高の高い地点である(最も高い地点は渋峠)。勾配が厳しく、狭いヘアピンカーブが続く。
・概要
峠付近には白駒池があり、八ヶ岳へのハイキングも可能。駐車場とトイレは有料。また峠をはさんで茅野市方面には蓼科高原、佐久穂町方面には八千穂高原がある。 冬場は国道299号が閉鎖され、ノルディックスキーのコースとなる。

茶臼山(ちゃうすやま)

北八ヶ岳にある山の1つ。標高は2,384m。この山のすぐ南には国道299号が通る麦草峠がある。また、この山の北側には縞枯現象で有名な縞枯山がある。
・登山道
八ヶ岳連峰を南北に貫く縦走路が山頂を通過している。
・山小屋
麦草ヒュッテ / 縞枯山荘

縞枯山(しまがれやま)

八ヶ岳連峰(北八ヶ岳)にある標高2,403mの山。
・概要
名前のとおり、縞枯れ現象が見られることで古くから有名である。 縞枯れは、亜高山帯針葉樹林のシラビソ・オオシラビソが帯状に枯れ、その縞枯れの帯は、山頂に向かって長い年月をかけ移動していく現象である。遠方からは、山の斜面に何列もの白い縞に見える。 なお、この縞枯れ現象は、縞枯山だけでなく、蓼科山や北横岳でも見られる。田中澄江が選んだ花の百名山に名を連ねている。
・登山道
坪庭-縞枯山 標高1,700mあまりの地点から2,200mあまりの坪庭まで、ピラタス蓼科ロープウェイが通じている。
・山小屋
縞枯山荘

北横岳(きたよこだけ)または横岳(よこだけ)

八ヶ岳連峰北部(北八ヶ岳)の山である。本来の正しい名称は横岳であるが、同じ八ヶ岳のわずか10kmほど南(南八ヶ岳)に同名の横岳があるため、より標高の低い北八ヶ岳の横岳は、区別のため便宜的に北横岳と称される場合がある。
・概要
山頂は南北に分かれ、標高は南峰が2,472.5メートル、北峰が2,480メートル。ただし三角点が南峰にあるため、低い方の南峰の標高をもって横岳の標高とされる場合が多い。山頂近辺のごくわずかな一角が森林限界を超え、ハイマツ帯となっている他、縞枯山との鞍部の標高2,200mあまりの一帯(坪庭)にもハイマツが密生している。通常、ハイマツ帯は亜高山帯針葉樹林の上部に位置するが、ここでは坪庭のハイマツ帯の上部に亜高山帯針葉樹林があるという植生の逆転現象が起こっている。これは、おそらく単純に気温の条件によるのではなく、坪庭周辺がきわめて土壌の乏しい溶岩地帯であることと関係があると思われる。
また、南隣に隣接する縞枯山とともに、大規模な縞枯現象が見られることでも知られている。これはモミ属のシラビソ・オオシラビソが一斉に立ち枯れ、その跡に稚樹が一斉に成長して、またある年月で一斉に立ち枯れるというサイクルを繰り返すため、その立ち枯れが標高に沿って帯状に見え、なおかつ、その帯が年々わずかずつ移動していく現象である。
2003年、気象庁による活火山見直し作業において活火山に指定される。その根拠は、独立行政法人産業技術総合研究所によると、約800年前の活動の痕跡に求められる。
標高1,700mあまりの地点から2,200mあまりの坪庭まで、ピラタス蓼科ロープウェイが通じている。
・登山道
  坪庭-横岳-亀甲池-双子池
  横岳-大岳-双子池
  坪庭-縞枯山
 坪庭と山頂の間の登山道は傾斜も緩く、整備されていて、歩きやすい初心者向きのルートである。ただし、山頂から先、亀甲池に至るルート、大岳を経て双子池に至るルートは、かなり傾斜が急で、下りの場合は注意が必要である。また登山者も坪庭と山頂の間は多いが、それより北側では非常に少なく、特に冬季はトレースが消えていることも珍しくない。
・山小屋
山小屋は坪庭に縞枯山荘と、坪庭と山頂の登山道中の山頂近くに北横岳ヒュッテの2軒がある。

大岳

標高 (2,381m)

双子山

標高 (2,224m)

大河原峠(おおがわらとうげ)

長野県佐久市(旧望月町)にある峠である。標高は2,093m。
・概要
この峠は秋の9月下旬から10月中旬頃まで紅葉が見頃であり、この峠へ訪れる人が多くいる。峠内の道幅は広くないが、短いトンネルが設置されている。峠の頂上には大河原ヒュッテという山小屋があり、その道沿いには駐車場が設置されていて、遠くの景色を遠望ことができる。またその場所は蓼科山の登山道入り口にもなっている。付近には双子山 (2,223.8m) がある。
・見どころ
紅葉 / 蓼科山

蓼科山(たてしなやま)

八ヶ岳中信高原国定公園中部にあり、長野県茅野市、北佐久郡立科町にまたがる。標高2,530mの火山で、八ヶ岳連峰の一峰。円錐形の美しい山容から諏訪富士(すわふじ)とも呼ばれる。日本百名山の一つ。
・概要
コニーデ(成層火山)の上にトロイデ(鐘状火山)がせり上がった複合火山。この山域では、針葉樹林帯が帯状に枯れる縞枯れ現象が見られるが、この山でも山の南西斜面にのみこの現象が現われている。真冬以外の季節では、諏訪側から佐久側に流れる南西面からの風が順風で、このことがこの現象に関連しているものと見られる。
頂上に蓼科神社の奥社があり、登山口にあたる七合目にその鳥居が立っている。
・周辺にある小屋
蓼科山頂ヒュッテ:蓼科山山頂東南端にあり、標高2520m、頂上三角点まで約3分。
蓼科山荘:東北2350mの将軍平にあり、頂上まで約40分。
大河原ヒュッテ:大河原峠、標高2100mにあり、頂上まで約2時間から2時間30分。

八子ヶ峰

標高 (1,833m)

動植物

植生は、海抜1,700-800m以下が落葉広葉樹林、海抜約2,500m以下が亜高山帯針葉樹林、それ以上がハイマツ帯となっている。西岳の海抜1,700m付近の一角には、希少種のヤツガタケトウヒが自生している。かつては生息していたライチョウは、ハイマツの減少や登山客によるゴミの放置によるキツネなど肉食獣の増加により、八ヶ岳一帯では絶滅したものと見られている。
北八ヶ岳の縞枯山や蓼科山・北横岳では、縞枯れ現象が見られる。 縞枯れは、亜高山帯針葉樹林のシラビソ・オオシラビソが帯状に枯れ、その縞枯れの帯が、山頂に向かって長い年月をかけ移動していく現象である。遠方からは、山の斜面に何列もの白い縞に見える。

神話

八ヶ岳には「富士山と背比べをして勝利、しかし富士山に蹴り飛ばされて八つの峰になった」という神話がある(「蹴り飛ばされた」の部分はその他にも説がある。例えば、背比べの際に用いた筒、すなわち富士山と八ヶ岳との間にかけて水を流し、どちらに流れるかを調べるのに用いた筒を持って富士山が八ヶ岳を叩いたなど)。また、同神話では蓼科山は八ヶ岳の妹で、八つの峰になった八ヶ岳を見て泣いて、それが川になり溜まったのが諏訪湖とされている。